事件番号 平成24年 (ワ) 第35600号 債務不存在確認請求事件 原告 鈴木常彦 被告 社団法人日本ネットワークインフォメーションセンター 期日 平成25年2月14日 (木) 午前10時00分 口頭弁論期日 場所 625号法廷 (6階)
AS7520 の組織名となっている中部アカデミックネットワークは草の根実験ネットワークであり民事訴訟法第29条の「法人でない社団」に該当しないと考え、発起人の私が原告となって裁判を起こしました。しかし JPNIC殿の準備書面によれば AS番号は、組織に対する割り当てが想定されており、その管理は組織でない限り行うことは困難である
とのことで、あくまで債務(AS維持料)があるのは中部アカデミックネットワークという団体であり、私には原告としての適格性がないと主張をされています。
被告がこちらを団体と認めてくれているものを特に争うつもりもないので、こちらも特に抗弁もせず裁判所に判断を委ねる旨の準備書面を出してあります。これにより、第1回の審理で訴えは棄却却下される可能性が高くなりました。個人が首謀してネットワークを組織し AS を運用する権利を争ってみたい気持ちもありましたが、草の根インターネットを JPNIC が否定するインターノットの時代であることがはっきりするのもいいでしょう。(と◯ちゃはどうなる?)
棄却却下が決定すれば改めて中部アカデミックネットワークを原告とする訴状を提出しなおし、裁判をやり直すことになりますので引き続き応援をよろしくお願いいたします。
参考までに AS 7520 のこれまでの歩みを以下に記しておきます。
1997年09月19日 東海地域ハブ(TKIX)として AS7520 の割当を受ける 2003年1月28日 第一回中部アカデミックネットワーク検討準備会 2003年1月30日 中部アカデミックネットワークメーリングリスト立ち上げ 2003年4月4日 第二回中部アカデミックネットワーク検討準備会 2003年12月5日 実験ネットワーク立ち上げに関するミーティングにおいて私が管理してきたAS7520 (TKIX) を使用することを決定 2004年3月22日 中部アカデミックネットワークは東海地域ハブの後継にあたるプロジェクトであること、運用責任者が私のままであることから、JPNICが規約で禁止している譲渡ではなく単なる名称変更であることをJPNICに認めて頂き、AS7520のAS名と組織名を変更 2004年6月15日 中部アカデミックネットワークとして地域ピアリングを開始 http://www.can.initiative.jp/ 2004年7月23日 ネットワーク運用技術者たちのイベントJANOG14にてCANの活動を報告 http://www.janog.gr.jp/meeting/janog14/abstract.html#07231515 2005年3月22日 JPNICからの要請に従い、AS番号割り当てに関する確認書に署名 2010年4月20日 JPNICから歴史的PIアドレスおよびAS番号管理者に対し、「IPアドレス事業料金体系見直しに関するご意見募集について」というメールが送られ、締切りまでの期間が短いこと、料金算出根拠に不明な点があること、説明会が開かれないことに対して異議をとなえ、説明会の開催を要求 2010年6月2日,4日,8日 IPアドレス事業料金体系見直しに関する説明会 http://www.nic.ad.jp/ja/materials/ip/20100602 2010年12月10日 第42回JPNIC臨時総会でIPアドレス等料金体系改定見送り http://www.nic.ad.jp/ja/newsletter/No47/0530.html ↑ 〜この間、歴史的PIアドレスおよびAS番号管理者に対し一切説明ないまま〜 ↓ 2011年6月16日 第44回JPNIC通常総会で料金改訂を決定 http://www.nic.ad.jp/ja/materials/general-meeting/20110616/ 2011年8月31日 JPNIC AS番号に関する規約を変更 2011年9月20日 「歴史的PIアドレスおよびAS番号に関する割り当て規約の改訂について」郵送 2012年4月 AS維持料請求開始 2012年10月22日 名古屋地裁に訴状提出 (JPNICが異議を唱え東京地裁に移送)
なお、現在 AS7520 は ConvivialNet (AS45689) と BGP4+ でピア接続し運用中であり、AS / BGP は個人でも十分運用可能です。プライベート AS による仮想インターネット<sim.internot.jp>も AS7520 とピアして個人で運用中です。
第1回口頭弁論は訴状と準備書面で済まされ、裁判官から 2, 3 の質問を受けて 5分程度で審理を終了し、判決が 3月 14日 13:10 に言い渡されることになりました。この流れから個人での提訴が不適格ということで却下(用語がよくわかりませんが審理はしたので棄却?)となるのではないでしょうか。中部アカデミックネットワークによる再提訴へ向けて準備を進めます。まあ予想通りというところでしょうか。
追記: 立場の違いを越えてこの裁判に意義を認めてくれた方々が支援サイト ウィアーオンタップ を立ち上げてくれています。ありがとうございます。
■ tss [想定通り却下となりました。詳しくは別途このブログに書きます。]
キャンパスノットワークの中でサーバを立てるのが不自由になっている学生たちのために、手軽に実験に使えるプライベートクラウド環境(何ソレ?)があるといいなぁと思いつつ、OpenStack やら CloudStack やら流行のものを調べてみましたが、どれも面倒くさそうですねぇ。何かお手軽なのはないかと思って物色していたら phpVirtualBox なるものが見つかったので入れてみました。最近の VirtualBox には WebService として SOAP API が付いていて、これを叩くフロントエンドとして機能する仕掛けなのですね。ずいぶん前からあるのに知らなかったのは残念 ^^;
VirtualBox も phpVirtualBox もバージョンアップにつれて仕様が変化していて、特に FreeBSD では適切なドキュメントが見つからず少し手こずりましたが何とか動いてくれています。
従来の VirtualBox をリモート管理しようと思うとコマンドラインになってしまいますが、これならブラウザで管理ができ、お手軽ななんちゃってクラウドとして使えそうです。さらに私のお手製の VIMAGE 仮想ネットワーク構築クラスライブラリ VITOCHA (通称バーチャル◯もちゃ) と組み合わせれば仮想ネットワークも色々組めて学生の教育、実験用には十分じゃないかと思います。
以下、設定のメモです。漏れがあったらごめんなさい。
1. ホストを用意 (消費電力を重要視してみた) FreeBSD 9.1-RELEASE CPU: Intel(R) Core(TM) i3-3220T CPU @ 2.80GHz (2800.08-MHz K8-class CPU) real memory = 17179869184 (16384 MB) avail memory = 16222253056 (15470 MB) 2. VirtualBox-OSE を ports で以下のオプションをつけてインストール [*] VNC Build with VNC support [*] WEBSERVICE Build Webservice 他はお好みで (今回入れたのは virtualbox-ose-4.2.6) 3. apache22 を ports でインストール 4. phpvirtualbox を ports でインストール (依存して php5 など色々入る) /usr/local/www/phpvirtualbox ができるので、 ln -s /usr/local/www/phpvirtualbox /usr/local/www/apache22/data/ (今回入れたのは phpvirtualbox-4.2.4) 5. ports で出来る vboxusers (nologin) では不便なので adduser vbox (login group は vboxusers) する。 6. /usr/local/www/phpvirtualbox/config.php の以下を変更 var $username = 'vbox'; var $password = '********'; var $language = 'ja'; 7. /etc/rc.conf に以下を設定 dbus_enable="YES" vboxguest_enable="YES" vboxservice_enable="YES" vboxnet_enable="YES" vboxwebsrv_enable="YES" vboxwebsrv_user="vbox" apache22_enable="YES" 6. /usr/local/etc/apache22/httpd.conf 等に以下を設定 AddType application/x-httpd-php .php 7. /boot/loader.conf に以下を設定 vboxdrv_load="YES" vboxnetflt_enable="YES" vboxnetadp_enable="YES" 8. リブート 9. http://[サーバ]/phpvirtualbox/ で管理画面に繋がれば OK 10. ゲストマシン (udonとか) を作成 11. 標準の RDP によるコンソールが使えないので以下のコマンドで VNC を使えるようにする。 su vbox -c 'VBoxManage setproperty vrdeextpack VNC' su vbox -c 'VBoxManage modifyvm udon --vrdeproperty VNCPassword=fugafuga' 12. ゲストマシンを起動したら、VNC クライアントでホストの 9000番ポートに接続
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■ tss [ウィアーオンタップ http://we-are-ontap.com/ 応援ありがとうございます!]
■ tomyuk [適格性がない場合は棄却ではなく却下ね]
■ tss [そうですね、訂正しておきます。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BD%93%E4%B..]