AS7520 に対する課金はその決定過程からして不当であり、当方には債務が存在しないことの確認を求める裁判は、本論に入らないまま想定どおり東京地裁において昨日「却下」となりました。
主文 1 原告の訴えを却下する。 2 訴訟費用は, 原告の負担とする。
つまり、AS7520 の代表である私個人には債務はなく、中部アカデミックネットワークに債務があるという、ある意味ありがたい判決だったりします。
ところでこの判決には奇妙な理由がついています。個人が AS の割り当てを受けて運用することはありえないと読める判決なのです。どうしてこうなった、というような判決です。判決を書いた裁判長が悪いわけではありません。被告である JPNIC がそういう主張をし、それに私も反論しなかったからなのですが、やぱりどうしてこうなったというような判例が出来上がってしまいました。
先の記事に書いたように、AS7520 の組織名となっている中部アカデミックネットワークは草の根実験ネットワークであり民事訴訟法第 29 条の「法人でない社団」に該当せず、債務があるとすれば私が責任をとって支払わなければならないものであると考え、私を原告として裁判を起こしました。任意団体の債務が代表者にあるのか団体にあるのかは任意団体の法的な体裁の問題であり、本来 AS の割り当て要件とは無関係なはずです。
JPNIC の AS 番号割り当て規約の第一条には、
(1)「被割り当て者」とは、AS番号の割り当てを受けている組織もしくは個人のことをいう。と書いてあり、もとより個人への割り当ては認められているはずですし、実際、OL さん (?) が割り当てされている例もあります。そして、中部アカデミックネットワークは団体として割り当てを受けたものと私も認識しています。争点は債務が民事上、団体にあるのか代表個人にあるのかだったはずなのですが、、、(当方の準備書面)
以下、判決文を引用します。(全文PDFはこちら)
乙5によれば, AS番号割り当てに関する被告のポリシーとして, 自律ネットワークを運営する組織がインターネットにおける外部経路 制御を行うことを目的とし利用するために,自律ネットワークにAS番 号を付与するものと定めた上, AS番号割り当てを申請できる組織は, 日本国内に存在する自律ネットワークを運用する技術的能力を持ち,割 り当てに掛かる手数料を支払うことができ, AS番号に関する被告デー タベースの保守・更新が行える組織とされていることが認められるので あり,甲1によれば,被告が「AS7520」というAS番号を割り当 てた相手方は訴外団体であり,原告は,その代表者として, 「AS番号 割り当てに関する確認書」と題する書面に署名押印をしているものと認 められ,原告個人が,被告からAS番号を割り当てられたとは認められ ない。
これは、JPNICが準備書面において
AS番号は、組織に対する割り当てが想定されており、その管理は組織でない限り行うことは困難である。と主張をされたことを受けた判決なのです。なぜ JPNIC はこんな余計な主張をしたのでしょうね。単に裁判を門前払いしたかったのだろうと思いますが、私たちはこの判決をうけて堂々と中部アカデミックネットワークとして改めて裁判を起こしますよ。待っていてくださいね。
ところで、とばっちりをうけた OL さん(?)はどうしたら良いのでしょうかね。困っていらっしゃいます。→http://tomocha.net/diary/?20130314
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「個人による AS 運用を否定する判決」ではないと思うよ。JPNIC の主張にたいし反論がなかったことを書いているだけで、判決としてそこの内容には踏み込んでいない。自然人一人でも組織だと主張すればこの文脈の中では組織なので、某OLさんも否定されたわけではないですね :)
内容を見る限り、私の解釈が間違っていなければですが。。。<br><br>そもそも、「代表者個人に割り当てたわけではなく、組織に割り当てたものであって、あくまでも団体の代表個人に対しては請求していない。」ということを書きたかっただけで、「乙5によれば…」 はなんかとりあえずとってつけたような感じの内容で...<br><br>にしても、<br><br>「自律ネットワークを運営する組織」<br>「AS番号割り当てを申請できる組織」<br><br>と、組織でひとくくりにしているのはちょっとどうかと思いますが。<br>個人もいる事を忘れている?<br><br>前提が団体に対してと書いており、団体にたいしての判決文だと言われれば、何ともいえませんが...<br><br>ただ、乙5〜の一文だけを読むと、個人がいない(=取得が出来ない前提)という内容でかかれたのであれば、個人名で取得した物はどうなるのか。そもそも無効になるのか、あり得ないものになり、回収されるのか。それとも、私のASは個人名でとった、自分の名前の団体名になるのか。後者であれば、本名は団体?認定?になるのか。。とか。<br><br>ま、この内容で、組織以外は存在しないことになっちゃいますね。
RFC 1930には"The classic definition of an Autonomous System is a set of routers under a single technical administration, ..." で始まる定義が書かれていますね。
次は「独身」じゃないからASは割り当てないとか、言ってくださると、もっと楽しいww
遅ればせながら。<br><br>判決文前文を読みました。<br>ちょっと疲れているので、ざっと見ただけですが、これは「個人によるAS運用を否定する判決ではない」ようにしか読めませんでした。<br>事実及び理由 第2項によると、当事者適格でないから「却下」ということですね。明示されていますし。だからOLさん(?)も困らないのでは。<br>ただ、第3項の冒頭記述は裁判長が個人ではAS番号の割り当てができないものだと誤認した可能性もあれば、単に作文が下手だという可能性もありますね。<br>まぁ、中部アカデミックネットワークが被告および裁判所に訴訟可能な団体であると認めさせる目的は達成できた訳です。次のフェーズというところでしょうか。<br>JPNICも、団体として「提訴し直して」と言ってるように感じたのは気のせいでしょうか(^^;
裁判長の誤認ではないです。JPNIC の準備書面によるものです。<br>ちょうど、某 OL さん (?) が日記を更新されました。<br>http://tomocha.net/diary/?201303b&to=201303141S1#201303141S1
昔、東京インターネットに在籍していた際に岡崎の方に伺ったことがあります。<br>私もJPNICの運営については個人的に、これでよく「社団法人」通るモノだと、おもっている所です。<br>まあ、個人的にM氏が昔から嫌いだったのもありますけどw<br>いずれにしても、AS7520がんばってください!<br>※本当にIPアドレスの割当は不条理そのものだと思いますよ…。
応援ありがとうございます。<br>この四月からNPOより縛りの緩い一般社団法人になりましたね。<br>公益社団法人になれない、なろうとしない、というところが体質を表しています。