国が著作権侵害を行っているサーバを DNS ブロッキングで遮断する措置を 電気通信事業者へ要請しようとしているというニュースが入って来ました。これは検閲の禁止や通信の秘密と公共の福祉が真っ向からぶつかる話になるでしょう。慎重な議論が必要です。
児童ポルノのブロッキングの際には長い議論があって、児童の人権と生命のほうが大切ということから、ISP たちは「自主的に」ブラックリストを共有してブロッキングを行いました。今回の著作権問題が人命が危険に晒されていた問題と同様に扱って良い話だとは思えません。いきなり政府から電気通信事業者への要請という危険な方向へ走る前にできることがあるのではないでしょうか。
問題とされている著作権侵害のサイトに配信サーバを提供し幇助しているのは Cloudflare だとのことです。彼らは米国の裁判所から著作権侵害の幇助が成立するという判決を受けています。わが国もまずは配信サーバのテークダウンの要請あるいは裁判を彼らに対して起こすべきでしょう。
そして国から要請を受ける前に我々もできることはあるでしょう。とりあえず私は Cloudflare が運営しているパブリック DNS キャッシュサーバ 1.1.1.1/1.0.0.1 を利用した私のサイトへの接続を拒否し、ささやかな抵抗としたいと思います。
これは別途論じたいと思っていますが、電気通信事業法も見直されるべき時に来ているのではないでしょうか。私はインフラとしての電話とあくまで実験でしかないインターノットを同列に扱うのがおかしいと思っています。自律ネットワークには自律的に何を流すのかを決める権利と、協調のための自律の努力義務があると思います。そのうえで検閲やまっとうな定義での盗聴(機械的にヘッダを見るのも違法だが正当業務行為だという現状の法解釈と運用は詭弁でしょう)を禁ずることは可能でしょう。さもなくば私の AppleTalk を流してくれないのは通信の秘密に抵触することになりますよ。IPv6 しかり。ネット中立論なんて絵に描いた餅にすぎません。
参考: ささやかな抵抗 - あらためて本サイトを 8.8.8.8 から見えなくさせて頂きます (2014-06-04)
Copyright by T.Suzuki
もしよろしければ上のヘッダー(Google Public DNS 云々)も CloudFlare の件について書き加えておいたほうがよいかとー
入れました。ありがとうございます。
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